組合概要
身近な場所での人材活用術


 平成27年度の期首に当たり一言ご挨拶申し上げます
21世紀が幕開けして早14年3ヶ月が経過しました。嘗ての建設省と運輸省が合併して国土交通省が発足してからも14年3ヶ月が経ち、この間に総理大臣が森内閣から現安倍内閣まで2度目の安倍総理をいれて9人もの総理が替わり、「改革」「改革」に明け暮れ、悪夢のような民主党時代が終わり漸く「夢と希望」に胸ふくらます春爛漫の27年度がいよいよ始まります。
この21世紀に入ってから公共事業を取り巻く環境は最悪の事態が続き6-7年前は会社の存続に頭を悩ましたものです。そこで、21世紀初頭に社員の皆さんに私がどんなメッセージをお送りしたかと思い、昔の社内報を久し振りに開けて見たところ以下の文言が出てきました。
「前略ーーーー
 今年に入ってから社員の皆様にメッセージをお送りするのもこれで3回目ですが、3月6日に42期上期の受注状況をお知らせ致しましたので、4月の挨拶は例年どおり新入社員諸君への挨拶を述べたいと思います。
 14年度も各支店でそれぞれ新入社員をいれる予定でしたが残念ながら応募されたルーキー諸君の総合点が今年はいまいちであり、一次募集及び二次募集にも係わらず採用を見合わせる結果となりここに誠に不本意ながら今年の新卒者の入社はありません。そこで東光グループへ昨年入られた1年生からプロパーとして入社歴42年を誇る超ヴェテランまで初心に返る意味も込めて常日頃申し上げている事を繰り返しお話しします。
 学校を卒業し実会社へ入ってから当たり前ですが1年1年歳を取り歳と共に成長するものです。しかし歳を取ることは人間等しく平等であることは間違いが無い事実でありますが本当に「1年1年成長するか?」と言うことになると甚だ心許なくなるのはなぜでしょう。これを年代順に考える事が出来ないのだろうか。20歳代から50歳代まで10年刻みで断面を切ってみよう。

【20歳代】
今まで学校は出たものの禄に勉強もしなかったから実社会ではがんばって早く仕事を覚え即戦力になろう。先輩より1時間早く出社して言われた業務を間違えなくこなそう。若さ故間違えることもあるさ、でも、がむしゃらに仕事に食らいついていこう、明日に向かって。将来「この橋はお父さんが設計したのだよ」と子供に話して聞かせよう。それにつけても学生時代は休みが永くてよかった。

【30歳代】
下積みの10年が「あっ」と言う間に過ぎてしまった。仕事は4つも5つも押しつけられてしまった。何でよくも仕様書がこうも変わるものなのか、この前と全然違うじゃないの、いけないもうこんな時間だ。家に帰ったらまた女房が文句を言うのだろうな。面倒臭い会社へ泊まっちゃえ。技術士の試験ももうすぐか。下積みの時は早く課長になりたかったけどなー。上ももう少し我々の立場を理解して欲しいな。未だに仕事に自信がもてないのは何でだろう?惰性で流されるのが最近とみに怖い。

【40歳代】
20歳代の下積み時代が早く終わったと思ったら30歳代はもっと早く過ぎ去るものだと最近つくづく感じる。いつの間にか会社に勤めて20 数年が経った。ミスも数多くしたけど、その都度会社の大幹部が謝りにいってもらってそれほど俺は怒られなかったなあ。40代になった 途端なんと会社の会議資料作りに追われる時間が多いのだろう。そういえば部下と飲みに行く機会が少し減ったな。若い頃は上役の悪口でよく酒飲んで絡んだものだ。この頃は俺が言われているのだろうな。上の子の大学をどうするのとカミさんが昨日も今日も出がけに話していたな。今年も忙しくて技術士は諦めることにするか、それにつけても毎年毎年イヤになる事が多い。

【50歳代】
今振り返ると月日の経つのは早いもんだ。後数年で長年勤めた会社とも定年でおさらばか。俺は今まで何をしてきたのだろう。酒も人並みにつき合い、仕事もそこそここなしてきたのに(その割にはミスが多かったけど)何時の頃からだろう「何か目標と言うか、生き甲斐と言うか」どこかに忘れてきたような氣がしてしょうがない。2つや3つの転勤もあったし施工管理にも出たのになんでこんなになっちゃたのだろう。そういえば、俺にもチャンスとおぼしき時は何回もあったような氣がするけど、なんでそれを物にできなかったのだろう。そうか今思うと俺に一番欠けていたのは度胸が足りなかったのだ。そうは言っても、 親も会社も的確な指導をしてくれなかったのが事実さ。俺も部下は指導しなかったけどまあ良いか。社長は「度胸でなく、勇気を持て」と言うけど、俺みたいに育ちも家柄も良い所に生まれたのは最初からガツガツしてないのさ。給料にそれほど差が無く、責任だけ重いのならこれぐらいが身の丈に合っていると言う事じゃないのかな。それにつけてもカミさんが愛想尽かしもせずよく付きあってくれたもんだ。これだけは感謝しないと罰が当たるのだろうな。

そういえば、遠い昔、社長から4月1日の辞令をもらった時、こんな事を言われた。
「20代の時はがむしゃらに仕事をしろ、納得がいかなければ上司と喧嘩しろ。20代の下積みはいつか必ず将来報われる」
「30代には業務の責任をもった担当者として4つでも5つでもバリバリ仕事をこなせ、そして2割3割の付加を余計にかけて頑張れ、そのためには業務を始める前にその業務の着地までよく考えてシナリオをつくれ、たとえそのときシナリオとはずれても、次回には必ず生きてくる」

「40代は会社の幹部として技術ばかりでなく、その業務の採算、次への仕事に結びつかせる方法、そして部下の人心把握と共に適切な指導を常に心がけろ。何よりも連隊長に求められることは業務から絶対に逃げるな。そして同業他社、同期の友達の動向をつかみ会社だけでない人脈を広げると共にアンテナをより一層高く掲げよ」

「50代は20代から40代までに費やした努力と実績をこの時に一度に刈り入れろ。歳がきたから立場が急に偉くなっても実力が共なわなければ部下は言う事を聞かず自分が惨めになるだけである」

今、50歳半ば嘗て社長の言われたことを、我と我が身に置き換えてみると甚だ忸怩たる思いがする。
賢明な社員諸君はもって他山の石として頂きたい。

優秀な人間より、有能な人間より、有益な人材を会社は求めています。
と言った内容でした。もう一度じっくり読み返して頂きたいものです。


2015年4月【執筆者紹介】株式会社東光コンサルタンツ 代表取締役社長 堀 尚義 http://www.tokoc.co.jp/